国内製油所の競争力再構築

摘要

石油製品輸入が全面解禁された96年4月の特石法廃止から8年余、国内製油所の競争力強化が目立つ。 完全自由化に直面して石油精製業の再編·統合が急ピッチで進み、余剰設備の圧縮と徹底した経費節減により精製コストの削減に懸命に取り組hできたからだ。 石油産業は4極体制に集約され、供給分野ではグループ間の垣根を超えた相互融通や物流協力によって合理化·効率化をぎりぎりまで追求している。したがって、個別企業の経費節減余地は次第に限界に近づいており、これからの焦点は安定した収益性をどう確保するかに移りつつある。 余剰設備の解消や製品輸出による製油所の稼働率向上は単位当たり精製コストの低減に直接結びつく。 1バレルの原油の価値を最大限に活用するには、石油製品の高付加価値化が必要である。 最後に残った残重油をIPPで電力化したり、原料ナフサからパラキシレンなどもっと高付加価値の石化製品を製造·販売するのも収益性の向上に役立つ。コンビナート全体の異業種連携による省力化努力も始まっており、国内製油所の国際競争力を目指す動きは活発だ。 将来的には電力·ガス·石油の総合エネルギー供給拠点化構想もあり、国内製油所の再構築は新段階を迎えている。