産業部門の環境省追加対策案

摘要

中央環境審議会が6月18日に閑いた地球環境部会の第20回会合では、議題の一つに「産業部門の対策·施策の見直し」を取り上げ、追加対策が必要として施策の選択肢を挙げている。エネルギー起源のCO_2排出量を2010年に基準年の90年比±0に抑えるという地球温暖化対策推進大綱の目標と見込みの間に大きな乖離があるという理由からである。 業務、家庭、運輸部門などの排出量が増えるのは避けられないので、産業部門については基準年比7％の削減が目安とされている。 同部会の4月16日時点の試算ではエネルギー起源のCO_2排出量が2010年には基準年比5.9～6.5％増加し、産業部門については4.4～3.1％減少するものの、7％削減の目安に及ばない。 総合資源エネルギー調査会需給部会の試算では産業部門のCO2排出量は2010年には9％減少する見込みであり、大綱の目安をクリアーしている。 この違いを需給部会の数値は追加的対策を講じたあとのもの、地球環境部会の数値は追加的対策を講じる前のものと説明し、実施可能な対策の選択肢として「国内排出量取引制度」、「経団連の自主行動計画」、「事業者による温室効果ガス排出量の算定·方向·公表の制度化」に言及している。温暖化対策税についてはここでは直接触れていないものの、各種対策の実現方策として取り扱いを総合政策·地球環境合同部会施策総合企画小委員会で別途議論する予定と注記している。