胃癌術後の空腸癌性狭窄とSchnitzler転移に対しself-expandable metallic stent留置によってquality of lifeが改善しえた1例

摘要

近年，消化管悪性狭窄病変の拡張および症状の改善を目的に，self-expandable metallic stent (SEMS)が広く用いられている.しかし，再発腫瘍による複数箇所の消化管狭窄に対してSEMSを留置した報告例はなく，また食道以外の消化管癌性狭窄に対するSEMS留置の有効性や安全性においてもいまだ見解が得られていない. 今回われわれは胃癌術後局所再発による再建挙上空腸狭窄とSchnitzler転移による直腸狭窄に対し，それぞれにSEMSを留置しquality of life (QOL)を改善した症例を経験したので報告する.