末期乳がhに対する抗腫瘍薬治療中に，ICDリード感染から多臓器不全を発症し死亡した拡張相肥大型心筋症の1例

摘要

左前胸部痛，皮膚潰瘍（ICDリード露出）。20歳頃に健康診断で心電図異常を指摘さ れ，心臓力テーテル検査を含めた入院精査を東京都 内一般病院で受け無治療のまま経過観察されていた (診断名など詳細不明）.30歳頃から，数十秒続く動 悸ゃ安静時の意識消失発作を認め，某大学附属病院 で精査を受けたが異常を指摘されなかった.その後 も健診で度々不整脈を指摘されたが,特に医療機関 を受診していなかった.51歳時に右乳房のしこりを自覚し，54歳時に近医 で右乳がhと診断されたため，手術目的に当院外科 を紹介受診した.術前精査で拡張型心筋症が疑わ れ，Holter心電図上，非持続性心室頻拍も認められ た.右乳房切除術の周術期は特に問題なく経過し， パクリタキセル（タキソール)による化学療法が追加された.