crohn病の病態からみた臨床症状発現機序

摘要

炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)とは特発性の慢性炎症性腸疾患を指しており,クローン病(crohn'sdisease : CD)もその代表疾患のひとつである.遺伝的素因,感染,食餌因子,免疫異常などのさまざまな因子が複軌こ絡みあって発症しているものと考えられる.腹痛,下痢,体重減少.発熱,肛門病変を含め臨床症状の発現機序を把握することは疾患の活動性を正しく評価するために非常に重要である.さらに.根治療法がなく,経過の長い本症において症状に対するマネージメントはQOLを高めるためにも重要である.本稿では,現在までに明らかとされているCDの臨床症状の発現機序について.主要症状に加え合併症についても合わせて解説する.