人工股関節置換手術における手術計画過程の客観的記述に基づく自動手術計画

摘要

人工関節置換術における手術計画はこれまで×線画像をもとに行われてきたが，近年コンピュータグラフィクスを用いた三次元的な手術計画システムの研究が盛hである．しかし，このような手術計画システムでは目視で人工関節部品と骨との位置関係を確認しながら対話的に人工関節部品を操作するため，不慣れな整形外科医では得られる手術計画が主観に左右されやすい．そこで，手術計画システムに精通した専門医の経験 知識を客観的に記述し，計算機上に実装することによって自動的に手術計画を立案し，外科医に提案するシステムの構築をめざす．システムでは骨盤および大腿骨の三次元形状と人工関節部品の三次元形状に基づいて，それらの幾何学的な制約条件から自動的に最適なサイズ，位置，角度を決定する．3症例について本システムを適用して専門医の手術計画と比較を行ったところ，おおむね専門医に近い結果が得られた．