エンドトキシン（LPS）認識分子機構 TLR4－MD－2とRP105－IMD－1の機能を中心に

摘要

リボポリサッカライド（lipopolysaccharide：LPS）はグラム陰性菌の細胞壁外膜を構成するリポ多糖であり，内毒素（エンドトキシン）として種々の細胞を強く活性化し，多くの疾患との関連が指摘されている．LPSは自然免疫系のパターン認識受容体（pattern recognition receptor：PRR）を介して認識される．近年,LPSを認識し活性化シグナルを伝達する分子としてToll-like receptor（TLR）4が同定され，さらにTLR4に会合する分子MD－2も必須であることが明らかとなった．さらに，B細胞においてはTLR4－MD－2に類似するRP105－MD－1もLPS認識に関与している．これらの分子にLPS結合分子としてさきに同定されていたCD14を含めたものが，LPS認識分子群であると考えられる．LPS認識は分子レベルでの解明が進hでおり，本稿ではこれらの分子群についての最近の知見を述べる．