周術期感染の対策-手術部位感染(SSO防止をめざして

摘要

周術期の感染は，手術操作を直接加えた部位に起こる手術部位感染(ssi)，術後肺炎をはじめとする呼吸器感染，尿路感染などの遠隔部位感染，に分けられる.アメリカCDCのnational nosocomial infections surveillance(NNIS)システム〔2005年よりnational healthcare safety network(NHSN)システム〕では，SSIは 手術後30日以内に手術操作の直接及ぶ部位に発生する感染と定義されている.SSIはさらに，発生する深さ に応じて切開部表層SSI,切開部深層SSI,臓器/腔SSIに分類される.SSI防止のためのガイドラインは 1999年にァメリカCDCから発表されており，現在においても最新の対策として臨床で使用されている.SSI はひとたび発生すると，入院期間の延長や社会復帰の遅延，疼痛などの苦痛の増加，家族への負担などが生 じ，医療費が増大して患者の手術治療に対する満足度が著しく損なわれる.SSIをいかに防止するかの技術が 求められている.