わが国の職業性熱中症の発生状況と予防対策の最新動向

摘要

旧労働省の通達によると暑熱とは摂氏28度以上をいう［昭和23（1948）年1月16日付け基発第83号，昭和33（1958）年2月13日付け基発第90号］．さらに，著しく暑熱な場所とは労働者の作業する場所が乾球温度摂氏40度，湿球温度摂氏32．5度，黒球寒暖計示度摂氏50度または感覚温度32．5度以上の場所をいう［昭和23（1948）年8月12日付け基発第1178号，昭和42（1967）年9月8日付け安発第23号］．これらの通達がだされた当時の日本では炭坑山，金属精錬所，造船·金属機械工場，製鉄所などの作業環境条件は高温多湿あるいは強い熟放射の下での貞節労働が一般的であった．