Crohn病の腸管狭窄に対する内視鏡的拡張療法

摘要

Crohn病（CD）に対する内科的治療は確実に進歩してきているが．現在のところ根治せしめる治療法はない．内科治療でコントロールが不可能な合併症や高度の活動性病変に対しては外科的治療を選択せざるをえない，腸管の狭窄性病変はCDにおける外科的手術のおもな原因である．周知のように，CDは外科的手術で病変を切除しても吻合部近傍に再発をきたすことが多い．QOL，経過·予後の向上を考慮すれば，内科的に狭窄を解除し，手術を国連する意義はきわめて高い．内視鏡的拡張療法（EBD）は低侵襲で，短期的および長期的有効性が証明されている．また，バルーン小腸内視鏡を用いることで，小腸深部の狭窄に対しても施行可能となってきている．本稿では，CDの腸管狭窄に対するEBDの通風方法，現状および治療成績などについて解説する．