小腸用カプセル内視鏡の実際日本の多施設共同研究を中心に

摘要

カプセル内視鏡は，被検者が自ら飲み込むだけで検査ができる従来のものとはまったくメカニズムの異なる内視鏡で，イスラエルのGiven lmaging社が開発しか小腸用カプセル内視鏡PillCamTMsBが世界でもっとも普及している．日本では，2004年以来カプセル内視鏡研究会において施設限定で医師主体現自主研究を行っている．このたび，第一次多施設共同研究の結果がまとまり，これまで病変が少ないと考えられてきた小腸にも腫瘍を含むさまざまな病変が存在することが判明した．カプセル内視鏡の画期的なところは，生理的に近い状態の消化管内腔を被横着の苦痛なしに診断することができることである．小腸用カプセル内視鏡は臨床応用されてから比較的日が浅いが，汀技術の進歩に伴い，機器や解析ソフトの開発や改良が急速に進hでおり，小腸病変の内視鏡診断や治療が劇的に変化しているのが現状である．