リハビリテ-ション医学·医療の最近の動向 リハビリテーションの新しい方向性

摘要

リハビリテーション(以下,リハ)は.以前ば"後療法"として,残存する障害に対し治療を加えるという考え方が支配的であったが,最近では疾病や傷害により発生するさまぎまな障害をあらかじめ予測し,できるだけその程度を低くしたり安静臥床によって生じる廃用の発生を可及的に防止する方向に変化してきている.また,在院日数の短縮など早期リハの有効性が示され,リスクの高い状況でも医師によるモニターを十分に行ってリハをはじめていくことが推奨されている.とくに脳卒中における早期リハの進展は最近めざましいものがある.わが国では急性期医療に射し,アメリカですでに導入されているDRG/PPSが検討されている.そのDRG/PPSをスムーズに進行させるツールとしてのクリニカルパスにはリハが組み込まれ,整形外科疾患を中心としてパスは急速に広がっている.しかし,リハの立場では疾患を基礎としたDRGはふさわしくなく,あらたに機能を主体とした分類(FRG)が研究されている.新しいリハ医学の流れとしては,画像診断の進歩に伴う治療効果判定の精度向上.あるいは機能的電気刺激,磁気刺激などの新しいmodalityの適応による機能の獲得などがあらたな展開として注目されている.