医療訴訟対策のポイント

摘要

医師ら医療従事者にとってだれしもが避けたいと願っている問題は,医療事故ないしは医療訴訟であろう.どhなに高度な医療でも,医師ら医療従事者のミスによって患者に不利益をもたらしたのでは意味がない.医師は万全を期して事故防止に努めなければならない.しかし,臨床上いかなる事故をも完全に回選することば至難なことであろう.しかも訴訟社会,今後とも事故についてその法的責任を容赦なく追及してくることが予想される.いまや,いずれの医師も事故や訴訟に巻き込まれない保証はない.そこで,医療訴訟対策が問題となる.しかし,法的責任とはどのようなものか.また.どのような場合にこれが課せられ,どのような場合であればこれを免れうるのか,なかhずく,帰責上の要件である過失ならびに因果関係などについての理解なくしては,訴訟対策のポイントもないと思われるので,本稿ではこれらの点を中心に論述した.