水チャネルの構造と機能 最近の進歩

摘要

浸透圧勾配に従って効率よく水を通すチャネル蛋白(アクアポリン)は生物界に広く存在し,ヒトにおいては現在11個の遺伝子がみつかっている(AQPO-AQP10).これらは水を選択的に通す群と,水のほかにグリセリンなどの非イオン小粒子も通す群に分けられる.最近,イオンやガスを通すものもみつかり,アクアポリンの機能の多様性が明ら捌こなってきた.構造解析でも四量体のそれぞれに2.8Aのporeが存在し,水のみを選択的に通す機構が明らかになってきた.梼異的な阻害薬はないが,ノックアウトマウスの解析から,アクアポリンの役割が重要な臓器とその存在意義すら明らかでない臓器があることがわかってきた.今後,チャネルの開閉機構や調節機構のみならず.水チャネル以外の機能についても明らかにされなければならない.