気管支喘息における気道上皮細胞?樹状細胞による環境因子認識機構

摘要

気管支喘息は気道を場とした慢性アレルギー疾 患であり，近年の疫学調査でももつとも頻度が高 い慢性呼吸器疾患であることが示されたわが国の喘息有症率は1960年代には小児，成人ともに 1-2 %程度であったが，2000年代はじめまでに小 児10%,成人6%と急速に上昇した.とくに都市 部において喘息有症率の増加が著しく，世界的に も発展途上国より先進国に多いなど，喘息の発 症.増悪には，都市化?近代化をはじめとする環 境因子が密接に関係していることが示唆される. 実際に多くの疫学研究でアレルゲン，吸入真菌， 大気汚染物質が喘息の発症?増悪に関与すること が示され，国際的な喘息ガイドラインである Global Initiative for Asthmaにおいても，喘息コ ントロール不良の要因として環境因子の重要性が記載されるようになった.