進化しつづけるフラクショナルレ一ザ一治療

摘要

1990年代までのレーザーリサ一フエ一シング治療(レーザーを用いた削皮術)の代表は，炭酸ガスレーザーゃェルビゥム·ャグレーザーを用いた剝離的レ一ザ-リサ-フエ-シング治療であった.剝離的レーザー治療は治療効果が高いものの，いわゆる"赤むけ"の状態になるため，後の発赤，腫脹，色素異常などの合併症の頻度の高さから，わが国では欧米ほどは普及しなかった，2004 年，ハーバード大学ウェルマン研究所のMansteinらは新しいレーザ一.リサーフx-シング(フラクショナルレーザー治療）を報告した.これは毛根よりも細い照射口径で，間隔をあけて正常皮膚を残しつつ点状に照射する方法である.ここで重要な点は，ただ隙間をあけたのではなく，同時に深い治療ができるようになったことである.従来レーザ一光はGau-sian光であるため，皮膚表面にとどまっていた.レーザー光をfocus beam化することにより，皮膚深部まで到達できるようになつた.これにより，いままでの二次元的なレーザ一リサ一フエーシング治療から，三次元的レーザ-リサ-フエ-シング治療へ変換していった.