COPDに対するSABAのassist use

摘要

短時間作用性気管雄張薬(SABD) の喘息および慢性閉塞性肺疾患(COPD)における位置づけに関して，喘息において(beta)2刺激薬(SABA) はリリ一バーとして発作時に頓用で使用される.一方，COPDの安定期においてSABAあるいは短時間作用性抗コリン薬(SAMA)は長時間作用性気管支拡張薬(LABD)の補助薬として，残存する労作性呼吸困難に対して頓用で使用するようにガイドラインに記載されている.そこで，頓用で使用するタイミングは喘息とCOPDで同じでよいのか，という疑問が生じる.喘息において増悪時，すなわち発作時に頓用で使用するのは理にかなつており，ICS でコントロールされればSABA を使用することはなくなる.しかし，COPDは不可逆的疾患であり，呼吸機能は正常化することはなく，安定期においても労作に伴って呼吸困難が出現し，休むことによつて軽快する.呼吸困難が生じてからSABDを使用してもときすでに遅しであり，休めば数分で自然に改善するため，SABD を積極的に使用しないのが現状である.