免疫グロブリン大量静注療法-その臨床的適応，有効性，副作用と作用機序－

摘要

近年，健常人血漿から集めたlgG0．4g/kg/dayを5日間,あるいは1g/kg/dayを2日間点滴静注する大量静注療法が自己抗体や免疫複合体によって起こる病態に有効であることがわかってきた.現在,保険適応が認められているのは，特発性血小板減少性柴斑病,川崎病,慢性炎症性脱髄性多発神経根障害であるが，皮筋炎,多発性筋炎にも有効性か報告されている．免疫クロブリンと免疫担当細胞のFcを介した相互作用,あるいはリンハ球上の抗原受容体を介した作用．炎症性サイトカインの産生抑制なとの機序が想定されている．