個人情報保護基本法制大綱の概要

摘要

世界的にみれば，ヨーロッパを中心に1970年代から，個人情報·プライバシーを保護することを目的とする法律が制定されてきている．この面で後れをとってきた日本でも，主として民間部門を対象とした個人情報保護法案が2001年の通常国会に提出されようとしている．その基本となるのは情報通信技術（IT）戦略本部の個人情報保護法制化専門委員会が2000年10月11日にとりまとめた『個人情報保護基本法制に関する大綱』である－　 大綱は"個人情報"について「個人に関する情報であって個人が識別可能なものをいう?　 としている．医療は個人を対象としているので，医療に関する個人情報ま本人が識別できないように匿名化しないかぎり，ここでいう"個人情報"にあたるといえる．個人情報保護基本法制は，医療個人情報,疫学研究，医学研究に大きなインパクトを与えるものであることを銘記すべきである.