レプチン脳室内投与により誘導されるラット脳内c－fos発現

摘要

Friedmannらにより遺伝性肥満マウス（ob/obマウス）の第6染色体上に4.5kbの肥満病因遺伝子が存在することが発見され，クローニングされた．この肥満遺伝子より生成された蛋白はレプチンとよばれ，167個のアミノ酸残基よりなることが証明された．この肥満蛋白レプチンは，脂肪細胞より産生·分泌され，脳に働いて摂食抑制作用，エネルギー消費作用を有し，広く神経内分泌機能調節にも関与すると考えられている．著者らはレプチンの作用する脳部位を明らかにする目的で成熟雄ラットにレプチンを脳室内投与し，神経細胞の活動性の指標であるc－fos蛋白の脳内分布について検討した．