G蛋白質共役受容体(GPCR)を舍む膜機能蛋白の結晶構造解析が精密な構造情報を与えるなか,動的構造変化に関する情報も求められており,種々のアプローチがなされている.著者らは,螢光蛋白を付加したGPCR を培養細胞に発現させ,生きた細胞の形質膜に発現している分子のみを全反射照明顕微鏡のごく局所の照明により観察し,分子間距離の変化を螢光蛋白間のエネルギーの受け渡し(fluorescent resonance energy transfer : FRET)の変化としてとらえる手法により,リガンド投与時のGPCRの構造変化を解析した.その結果,同じfamily GPCRに属するホモ二量体の代謝型グルタミン酸受容体と,ヘテロ二量体のGABAB受容体(GABABR) のどちらもサブユニット間の配置が相対的に変化する動きを示すが,GABABRの場合はその動きが非対称であるなど,異なる動きを示すことが明らかになつた.
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