薬う療法-alphaGIをどう使うか？-

摘要

「糖の流れ」，その結果としての血糖応答反応は，インスリン分泌動態と全身細胞のインスリン感受性の程度に規定されている.食間·夜間にはインスリン基礎分泌により制御された肝糖放出率と，基礎分泌により刺激された全身細胞での糖取り込み率がマツチして，血糖値は正常域に保持される.一方，損食時には十二指腸より門脈への急速なブドウ糖の流入による血糖値上昇->瞬時のインスリン分泌亢進-門脈インスリンレベル上昇による肝糖放出率低下，肝糖取り込み率亢進->肝を通り抜けたブドウ糖による末梢血中血糖値上昇->筋·脂肪組織の糖取り込み率上昇->血糖値前値へ復する，という機構が働く.すなわち，インスリン分泌とその作用を受ける臓器の見事な協調作用により，血糖応答がfine tuningされていることになる.この機構のいずれに乱れが生じても血糖値が異常に上昇する. わすかな異常を把握し，2型糖尿病になる前の状況に戻すべきであろう.