外来でできる運動指導

摘要

糖尿病に対する運動療法としては，有酸素運動とレジスタンス運動が行われている．歩行などの有酸素運動は継続することによりインスリン感受性が改善することが証明されている．しかし，長持問行う必要があり，高齢者や肥満者は効果を得ることが難しい．一方．これまで有酸素運動の補助的な運動とされてきたレジスタンストレーニングが注目されている．筋力トレーニング（筋トレ）によって刺激される速筋線経は,グリコーゲンの貯蔵量が多く,運動後はその合成のために糖を細胞内に取り込む．これは筋トレの糖尿病に対する直接効果として重要である.さらに運動を継続すると，慢性効果として筋肉量が増え，基礎代謝の増加から安静時にも糖を取り込みやすくなる．外来において食事療法と有酸素運動のみで効果が出ない場合，筋トレを併用すると糖のコントロールがよくなることがある.呼吸を止めず．適切なフォームで行えば安全であり，肥満者や高齢者でも十分行える．