腸管感染症　感染性腸炎

摘要

感染性腸炎は自然治癒傾向が強いので輸液,食事療法,対症薬物療法を最優先する.そのうえで,初期治療として患者背景,症状に応じて3日間程度の抗菌薬療法を行い,病原体が判明した時点で抗菌薬を調整する.初期治療の選択薬は,ニューキノロン薬かホスホマイシン,カンピロバクターが疑われる場合はマクロライド薬とする.結果が判明した時点で症状が改善していれば,多くは抗菌薬を中止可能である.経口投与が原則である.近年,耐性菌が増加しているので,抗菌薬を処方する場合は便培養の実施が勧められる.