一次施設を組み込hだ胎児心拍数モニタリング監視システムの構築と周産期予後

摘要

現在，分娩中の胎児の状態を評価するために，胎児心拍数モニタリングが広く用いられ ている.胎児心拍数モニタリングの臨床上の問題点として，脳性麻痺を減少させない一 方，帝王切開分娩や器械分娩を増加させることが報告されているまた，偽陽性率が高 いこともよく知られている.一方で，口一リスク妊娠の分娩においては，胎児低酸素症の 可能性を予測する有用な手段である2).この背景には，胎児心拍数モニタリングと新生児 予後の間に，複数の因子が関与していることも一因である.胎児心拍数モニタリングを 行ったうえで，それを正しく解釈し，適切な分挽管理と適切な新生児管理を行うことが理 想である.しかしその過程において不適切なところがあっても，それらの相互関係によ り，新生児予後に与える影響は変化する.そのため，胎児心拍数モニタリングの所見単独 では新生児予後に直接反映されない可能性がある.