小腸吻合：機能的端々吻合 口径差のある小腸小腸吻合

摘要

機能的端々吻合は，1968年にSteichenが「The use ot staplers in anatomical side to side and functional end-to-end enteroanastomoses」との題で器械吻合に よる腸管吻合を報告したものである吻合形態は自 動縫合器を用いた側々吻合である力s，機能的には端々 吻合とされている.特別な技術を必要とせず，吻合部 の炎症は少なく，吻合部狭窄も少ないと報告している. また，論文の最後には「新生児への器械の開発が次の ステップである」と書かれていた.さらに，1995年 にはPowellが新生児，乳児における器械吻合を報告 した.手術時の体重は最低で1.88 kgであった. 小腸吻合に機能的端々吻合が適応となるのは，腸管 同士の口径差がある場合，栄養状態が不良な場合，手 縫い縫合が不成功な場合などがある. 小腸吻合で口径差がある縫合は，先天性小腸閉鎖症 による胎便性腹膜炎の小腸瘻閉鎖時などで経験する. 肛門側腸管は使用されていないことから口径が細く ， 口側の腸管は太くなっている.口径差が大きい場合に は吻合に難渋し，縫合不全や吻合部狭窄などの合併症 も起こしやすいため，様々な工夫が行われている.わ れわれは，器械吻合による機能的端々吻合を口径差の ある小腸吻合に使用した経験があるので，その手技と ピットフォールを報告する.