閉塞性大腸がh腸閉塞にステン卜は有用か

摘要

腸閉塞で発症する大腸がhは，S状結腸や下行結腸に多く，上行結腸や直腸には少ない.二期的手術では, 緊急手術で腫瘍腸管切除?肛側腸管閉鎖?口側腸管皮膚瘻（ストーマ造設）を行い（Hartmann手術），全 身状態が改善したあとスト一マ閉鎖と腸管吻合を行う.腸閉塞があつても一期的吻合が可能な手技がある.1つは結腸亜全摘法であり，口側結腸を広範囲に切除 し，腸内容の貯留ゃ腸管壁の浮腫が少ない回腸と吻合 する.もう1つは術中腸管洗浄法であり，腫瘍の口側 で切離した結腸に小児麻酔用蛇管を結びつけ，床のバ ケッに誘導したあと，虫垂を切除した穴から盲腸に Foleyカテーテルを揷入して洗浄セットに接続し，高さ1.5mから温かい生理食塩水10Lを15-30分間か けて流して結腸を洗浄する（図1).閉塞性大腸がhの腸管減圧法には，ィレウスチュー ブを揷入して口側から減圧する方法，内視鏡下にステ ントを挿入して肛側から減圧する方法がある.最近は 形状記憶合金を使つた拡張型金属ステント（self-expanding metallic stent ： SEMS)が開発され，2012 年10月に「腸閉塞の緊急手術回避」で保険適用に なったが，価格は1本数十万円である.