脱水

摘要

小児，特に2歳未満の乳幼児は脱水に陥りやすい.小児の急性疾患ではつねに脱水症の合併を念頭に置き，体重減少率や臨床症状から脱水の有無と程度を判断す る.軽症?中等症の脱水症に対しては経口補水療法で対応が可能なことが多いが，重症の脱水症に対しては輸液療 法を行う.脱水症は小児の日常診療において遭遇する機会の多 い疾患の1つであり，水分摂取の不足，または，体か ら水分が失われる病態である.小児では基礎代謝熱量が成人より大きく，不感蒸泄量も成人の約2倍であ ることなどの特徴を有するため，必要水分量が成人に 比べて多くなる.さらに，2歳未満の乳幼児では腎 機能も未熟であり，特に濃縮能力5低いため，同じ溶質 を排泄するのに約2倍の水を必要とする.そのため， 特に2歳未満の乳幼児は脱水に陥りやすく注意が必要 である.