胃切除後にみられる胃運動能障害は胃術後障害の発生要因となる.胃癌術後のQOL(qual-ity of life)が重視されるようになり多様な再建法が行われているが,胃術後障害の病態解明や機能温存·機能再建手術の有用性を評価するための消化管機能検査は確立しておらず,広く行われてはいないのが現状である.一方,わが国では胃排出能検査をはじめとする消化管機能検査について多施設共同検討のもとに標準化しようとする努力がなされてきた.なかでも近年急速に普及しつつある~(13)C呼気ガス診断を応用した検査法は,簡便かつ非侵襲的で安全性,信頼性に優れていることから,より日常的な検査法として臨床の場に浸透し,胃切除後患者の病態解明や術式評価の共通の物差しとして利用されることが期待される.
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