多剤併用療法，Biochemicalmodulation

摘要

近年，化学療法による癌治療は，単剤の抗癌剤による治療よりも，むしろ複数の抗癌剤を組み合わせた多剤併用療法が主流となってきた．さらに，新しい多剤併用療法としてbiochemical modula－tion（生化学的効果修飾）が注目されている．抗腫瘍効果を増強するために，薬剤の相互作用増強を考慮して，複数の抗癌剤を組み合わせて投与することがあり，多剤併用療法と呼ばれている．作用機序の異なる薬剤の併用，またはそれぞれ交叉耐性を示さない薬剤の併用は，理論的に薬剤耐性癌細胞の出現を最小限にとどめることが可能である．