臓器庄排ヘラの使用下に，結節縫合とループ針による連続縫合を組み合わせた開腹法

摘要

私達は開腹を安全·確実·迅速に行うために以下の2つの工夫をしている．1.臓器圧排ヘラSurgiFish~Rの使用SurgiFish~R（GreerMedical社，西村器械K.K.）は13.5cmと5cmの幅をもつ長さ35cmの魚型のディスポーザブルの黄色のへラである（図1上）．主な材質はシェル社のクラトン（スチレン系の弾性剤）で，大変柔軟で滑らかである．SurIgiFish~Rの特徴は，①開腹開始時に腹腔内に挿入すると，腹膜直下で開腹創の全面を覆うため，腹腔内臓器を腹壁から完全に隔離できる（図1下），②単平鈎（腸ベラ）と異なり，把持して固定する必要がない，③開腹創に応じてヘラの大きさをトリミングできる，④大変柔軟で滑らかなため，組織を損傷することなく，筒状に丸めて狭い間隙から簡単に抜去できる，などである．唯一の欠点はディスポーザブルである点だが，閉腹時に一度でも使用してその便利さを知れば，手放せなくなる．