大腸ポリープ·ポリポーシス，大腸癌

摘要

大腸ポリープは大きく過形成性ポリープと腺腫性ポリープに分けられる．過形成性ポリープは大腸粘膜上皮の過形成によりもたらされる隆起性病変で，良性の腫瘍と考えられている．腺腫性ポリープは隆起の全体が腺管および間質で構成されている隆起性病変で，年月の経過とともに増大し，大腸癌へと移行すると考えられている．この過程においては，正常大腸粘膜にAPC遺伝子の変異が起こることで小さな腺膿が発生し，K－ras遺伝子の変異により大きな腺腫となり，p53遺伝子の変異により大腸癌が発生するという，多段階発癌いわゆるadenoma－carcinoma sequenceが重要な役割を演じている．