小児外科領域における予防的抗菌薬セフォチアム投与についての検討

摘要

小児外科領域の診療においても抗菌薬は必要不可欠である。 感染部位より分離される菌種に対する適切な抗菌薬を選択することが重要であるが，小児外科領域では周術期の創部感染予防としての使用経験も多い。 予防抗菌薬投与を漫然と継続することで菌交代現象を引き起こし，合併症を増加させる可能性がある。 また，小児においては体重あたりの投与量決定が必要であり，その投与量も感染予防目的と治療目的で異なっている。 現在，小児外科領域において感染予防目的の投与量や日数を含めた使用方法については確立されていないのが現状である。 そこで今回，我々は当科で施行された小児外科手術（準清潔手術）を対象として投与された抗菌薬，特にセフォチアムの使用方法及び術後創感染の発生頻度について調査した。本論文では特に本剤の小児外科領域における適正な使用方法について検討した。