C型慢性肝炎における性差医療-閉経後女性患者に対するぺグインタ一フエロンalpha-2aとリバビリン併用療法への塩酸ラロキシフエン追加投与の試み-

摘要

以前より，ウイルス性慢性肝疾患は男性に多く， 肝癌も男性に高頻度に発症するとされている。ゥィルス性慢性肝疾患の原因のほとhどはB型肝炎ウィルスおよびC型肝炎ウィルス(HepatitisC Virus ： HCV)の感染によるものと考えられる。近年，多くのC型慢性肝炎患者がpegylated interferon (PEG-IFN) a + ribavirin (RBV)の併用療法を受けた。その結果，高齢女性ではその効果が特に低いとの報告が相次いでいる。本稿では， 福岡県星野村の疫学調査の成績をもとにHCV感染状況および肝疾患の性差，および抗ウィルス療法の効果における性差について述べ（表1)，また，現在著者らが行っているPEG-IFN + RBV併用療法に塩酸ラロキシフヱン(Raloxifene)を加えた治療成績についても紹介する。