副甲状腺ホルモン低値を伴う血液透析患者における 腰椎固定術では移植骨の骨癒合不良を生じる

摘要

血液透析（HD)患者は，骨代謝異常による移植骨の 癒合不全や遷延治癒が生じ，しばしば治療に難渋する. HD患者の骨病変は，病理学的に線維性骨炎，骨軟化 症，混合型，無形性骨症（ABD)と主に4つに分類さ れ，副甲状腺ホルモン（PTH)値は骨病理所見を反映 すると報告されている. ABDは骨代謝回転が著しく 低下した状態で，HD患者の40~50%に発症している と推定され，手術成績を悪化させる見逃せない病態で ある.