局所陰圧閉鎖療法が有効であつた骨露出を伴う四肢皮膚欠損の2例

摘要

糖尿病を有する患者の感染後の骨露出を伴う皮膚欠損 の治療は，難治性になることが多い.その治療において，近年注目されているのが局所陰圧閉鎖療法（negative pressure wound therapy ： NPWT)である.現在， 開放骨折の治療や褥瘡に対しての報告が散見されている が，創部の皮膚，皮下組織の感染後の骨露出に対しての 報告は少ない.われわれは，外科的治療のリスクの高い患者の広範囲の骨露出を伴う皮膚欠損に対して，NPWT を簡便かつ安全に使用することができた症例と，骨露出 を伴う末梢動脈疾患（peripheral arterial disease ： PAD) 患者に対してNPWTを行うことにより血管新生が起こ り，創閉鎖が可能になり近位での切断を回避できた2例 を報告する.