単孔式大腸内視鏡手術における臓器吊り上げ法OLT (organ lifting, with thread)法の有用性

摘要

単孔式内視鏡手術（SPS)は胆囊摘出術から始まったが，整容性に優れ，種々の分野へ普及のきざしがある。胃や大腸癌に対するSPSも本邦の前衛的な施設では報告され，肥満症例の少な いアジアでは広がる傾向がある。本術式では鉗子，カメラ間でのconflictや鉗子 の動きの制限，臓器挙上におけるtriangulation が困難など，従来の内視鏡手術に比較して安定し た良好な視野が得難いというデメリットがあると されてきた。