ロ-プウェイ·テクニックによる腹臥立での頸部縦徹底郭清一胸部胸管全切除を含む

摘要

本邦では，左側臥位での食道癌根治術が標準手術として長い間行われてきた。左側队位での右開胸によるリンパ節郭清術は徹底郭清として確立された1卜3)。そののち，低侵襲手術として胸腔鏡手術が提唱されたが，胸腔鏡のもつ拡大視効果と卓越した手術技術で，縦隔のさらなる徹底郭清が確立されていった。このように左側臥位でも，適切な器具を用いた術野展開やすぐれた手術テクニックがあれば，徹底した縦隔リンパ節郭清は可能である。しかしながら，筆者の経験では，左側臥位での胸腔鏡の際の術野展開は，かならずしも症例により一定せず，縦隔のf散底郭清はなかなか困難であった。