療痘 診断と治療におけるピットフォールと合併症

摘要

療痘(felon)とは指腹部皮下膿療をいい，爪郭部の化膿性感染症は爪周囲炎(parony-chia)として区別されている。 手の指が，足の虻に比べ発症しやすい。 これまで，療痕治療のピットフォールや合併症に対しての認識が浅いままに，外科的処置がされることが多かった。 処置後に合併症が生じた場合，指先は日常生活に直接影響する部位であり，米国では訴訟問題となることも多い。 指髄(前閉鎖腔)の解剖学的特徴，病態，排膿の切開創にとくに注意が必要である。 手指の療痕を中心に解説する。