高次伝送路予測によるPADM （per transmit antenna differential mapping）送信ダイバーシチの多値変調特性

摘要

本報告では，MIMO （multiple-input multiple-output）送信ダイバーシチによるPADM （per transmit antenna differential mapping）において，復調側で高次伝送路予測を適用した場合の多値変調時の特性について論じる．PADMは，送信アンテナ毎に異なったマッピングで差動符号化する差動時空トレリス符号の一種であるため，受信方式としてPSP （per-survivor processing）が用いられる．なお，PSPにおけるピタビアルゴリズムの状態数削減には，DFSE （decision-feedback sequence estimation）が有効である．本報告は，2送信アンテナ送信ダイバーシチに対して，受信アンテナ数を変化させた場合のビット誤り率（BER）特性に関して検討する．最後に，計算機シミュレーションにより，受信ブランチ数を4とした場合，正規化最大ドップラー周波数f_DTが数%の条件においても，4bps/Hzの条件で10~(-3)以下のBERを実現できることを確認する．