Evolved UTRA下りリンクにおけるPrecodingを用いるMIMOチャネル伝送に適したリファレンスシグナル構成

摘要

本稿では，OFDM無線アクセスを用いるEvolved UTRA下りリンクにおける，プリコーディング(Precoding)を用いるMIMO多重伝送に適したリファレンス信号(RS: Reference Signal)の構成を明らかにする．具体的には，Precodingを行った場合に，周期検波復調のチャネル推定に用いるRSとして，セクタビーム送信の共通RSにPrecoding行列情報(PMI: Precoding matrix information)を乗算する方法と共有データチャネルと同様にPrecodingされた個別RSを用いる方法をRSおよびPMI情報のオーバーヘッドを考慮したスループット特性から比較評価する．シミュレーション結果より，Precodingを用いる2送受信アンテナおよび4送受信アンテナのMIMO多重において，チャネル推定に共通RSを用い，PMIをLaver 1/Layer 2制御情報により通知する構成が，チャネル推定に個別RSを用いる場合に比較して，Precoding行列数（コードブックサイズ）が16以下の場合，高いスループット特性を実現できることを示す．