下りリンクブロードバンド無線アクセスにおけるQoSの要求条件および受信チャネル状態を考慮する高速パケットスケジューリング法

摘要

本報告では，QoS（遅延，パケットロス率など）の要求条件の異なる実時間型（RT：Real Time），および非実時間型（NRT：Non Real Time）などのトラヒックデータを，各トラヒツクデータの許容遅延，MACレイヤのハイブリッドARQにおける再送要求の有無，各アクセスユーザの受信チャネル状態を元に，総合的に各ユーザの送信スロット割り当てを行う高速パケットスケジューリング法を提案し，下りリンクOFCDM（Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing）無線アクセスにおける劣化率，およびスループット特性を評価した．提案方式では，各ユーザの送信スロット割当てに対する優先度P{sub}(total)はP{sub}(total)=a{sub}(Delay)·P{sub}(Delay)+a{sub}(Type)·P{sub}(Type)+a{sub}(SIR)·P{sub}(SIR) によって算出する（P{sub}(Delay)，P{sub}(Type)，P{sub}(SIR)，はそれぞれ、許容遅延、パケットの種別、受信SIR（Signal-to-Interference power Ratio）に対する優先度算出式を表し、α{sub}(Delay)，α{sub}(Type)，α{sub}(SIR)は重み係数を示す）。 計算機シミュレションによリ、各パラメータの最適化を行い、最適なパラメータセット、を用いた提案パケットスケジューリング法によリ、型トラヒツクユーザのIPパケットロス率（PLR：Packet Loss Rate）が10{sup}(-3)を満たす劣化率は若干増大するものの，PLRが10{sup}(-4)以上になるNRT型トラヒツクユーザの割合を10分の1以下に低減できることを明らかにした．