DFT-Precoded OFDMAにおける繰り返し判定帰還チャネル推定を用いたときのターボ周波数領域等化のブロック誤り率特性

摘要

本稿では，Discrete Fourier Transform(DFT)-Preceded Orthogonal Frequency Division Multiple Access（OFDMA）を用いるシングルキャリアFDMAにおける繰り返し判定帰還チャネル推定（IDDCE: Iterative Decision-Directed Channel Estimation）を用いたときのターボ周波数領域等化（FDE: Frequency Domain Equalizer）の平均ブロック誤り率（BLER: Block Error Rate）特性を計算機シミュレーションにより評価する．ターボFDEにIDDCEを適用することにより，従来の参照信号（RS：Reference Signal）のみを用いるチャネル推定に比較して，等化性能を改善できる．計算機シミュレーション評価により，QPSKを用いたとき，ターボFDEにRSベースのチャネル推定を用いた場合の平均BLER が10~(-2)を満たすための所要平均受信SNRは理想チャネル推定の場合に比較して，R=1/3，1/2および3/4のときそれぞれ約1.0，0.7，0.7dB劣化することを示す．一方，IDDCEを適用することにより，所要平均受信SNRの増大をRに関わらず0.4dB程度に抑圧できることを示す．最後に，16QAMを用いたときのIDDCEのRSベースのチャネル推定からの所要平均受信SNRの低減効果は小さいことを示す.