無線品質情報を用いた基地局連携負荷分散制御方式の検討

摘要

著者らは第4世代移動通信システム（IMT-Advanced）を想定し，マクロ基地局とフェムト基地局から構成されるヘテロジニアスネットワークにおいて，無線エリアの設計運用を自律的に行うための自律的エリア設計運用技術の研究開発を進めている．ヘテロジニアスネットワーク化により，特にエリアサイズの小さなセルにおいては，時刻ごとに変化するユーザの分布や通信頻度に応じてセル内で要求されるトラヒック量が変化する．また，このとき端末にて測定した周辺基地局の受信電力のみに基づいて，帰属先のセル選択を行うと，特定の基地局にトラヒックが集中し，ユーザあたりのスループットが低下するといった課題がある．本稿では，ヘテロジニアスネットワーク環境における基地局負荷分散方式として，ユーザ端末から報告される無線品質情報に基づくカバレッジ推定と，ハンドオーバ制御を用いた負荷分散方式を検討し，ユーザスループット改善効果を評価したので報告する．