日本材料学会北陸信越支部の運営とその活性化ならびに非破壊材料評価研究の発展への貢献

摘要

受賞者は，長年にわたり工業材料の非破壊評価とモニタリングに関する先駆的研究に従事し，ミクロからマクロに至る幅広い領域での定量的非破壊材料特性評価に資する超音波センシング手法の創成とその応用に関する数多くの独創的研究成果を挙げている．まず，X線回折法を駆使したセラミックスの残留応力測定，熱処理鋼の硬度推定，微視的格子ひずみの定量評価さらに異種接合界面近傍の応力分布測定などに取り組み，材料の強度や信頼性に関わる有益な知見を提示した．次いで，新しい局所的超音波計測法「表面波スペクトロマイクロスコピー」を世界に先駆けて創成し，マクロとミクロの狭間にあるメゾスコピックな力学特性の定量評価に着手した．超音波データに基づく逆解析手法を提案し，局所領域の弾性特性や微視構造ならびにコーティング膜の力学特性などの定量評価に成功した．