衝撃曲げ荷重を受ける管状部材のエネルギー吸収性能を向上させる断面形状の検討

摘要

本研究では，自動車の側面衝突に対して，軽量で優れたエネルギー吸収性能を持つ衝撃吸収部材の開発を目的とした．比較的簡単な構造の部材で側面衝突に対して理想的なエネルギー吸収特性の実現を目指すために，円筒を基本形状として，円筒内に様々な管材を挿入することで断面形状が異なる管状部材を提案した．このように，円筒を基本とした理由は，衝突時に円筒は衝突体とまず狭い面積で接触し，徐々に接触面積が増加していく変形をするため衝撃荷重の急激な上昇を押させることができると考えたからである．そして，衝撃曲げ実験と有限要素法による衝撃曲げ解析によって，重量を増加させずにエネルギー吸収性能を向上させる部材の断面形状の検討を行った．