熱弾性解析を用いた平織炭素繊維布強化複合材料の疲労損傷評価

摘要

繰り返し荷重下における平織炭素繊維布強化複合材料（平織CFRP）に関して，詳細な損傷状態の観察を行い，損傷の形態や大きさおよびその位置を含めた損傷進展過程を明らかにした．また，これらの結果に基づいた損傷の定量評価について検討した．以下に本研究により得られた結論を示す。 熱弾性応力解析を用いることにより，繊維乗1綴分の大きさの横き裂が発生．蓄積する様子を観察することができる。 1織単位の領域における損傷の程度（横き裂の発生·蓄積状態）が異なることから，領域ごとの損傷状態の把握·評価が平滝CFRPの損傷評価には重要である．熱弾性損傷解析の結果から，材料の異方怪·不均一性などに依存しない損傷情報（損傷の程度，損傷領域）を取得できる。 また，これらの情報を基に定義した損傷度、損傷領域率および損傷量を用いれば，平織CFRPの疲労損傷の進展挙動，損傷蓄積が定量的に評価できる．本研究で用いた平織炭素繊維布は，三菱レイヨン雅はりご提供頂いた。 また，本研究の一部は文部科学省の補助による同志社大学大学院RCASTの支援を受けた．記して謝意を表す。