セイヨウナシにおける花成制御遺伝子（FT）による開花促進とその育種利用

摘要

桃栗三年柿八年というように、一般的に果樹では、種子が発芽してから開花、結実するまでに長期間を必要とする。　バラ科果樹であるセイヨウナシも同様に、通常は発芽してから数年を経て開花する。　このため、農業上、重要な花や果実形質の評価に時間がかかり、重要形質に関する遺伝解析や遺伝子の機能解析、DNAマーカーの開発が、一年生の植物に比べ非常に遅れている。一方、植物の花芽分化や花成制御のメカニズムについて、モデル植物であるシロイヌナズナを中心に解析が進み、葉で作られたFTタンパク質が生長点に移動し、FDタンパグ質と結合することで、花芽分化が誘導されることが示された。