落葉果樹栽培における 省力技術の現状と将来方向

摘要

近年、果物消費の減少傾向とともに、生産者の高齢化や担い手の不足等、果樹産地の弱体化が懸念されている。果樹の栽培面積は、毎年一-二％減少しており、一〇年後には一〇-二〇％減少することになる。これは果樹農家の収入減少に留まらず、生産を取り卷く農機具、農薬、各種資材、加工など周辺産業を含む果樹産業全体の衰退につながり、地域経済の衰退など社会全体の問題としても捉えておく必要がある。また、高齢化社会を迎え、日本の人口は今後大幅に減ることも予測されており(図1)、ますます果物消費や働き手の減少といつた問題にも直面することが予想される。