III.慢性骨髄性白血病に対する新規BCR-ABL チロシンキナーゼ阻害薬の開発と今後の展望

摘要

BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤(TKI) メシル酸ィマチニブは，その劇的な効果により慢性期慢性骨髄性白血病(CML)の第一選択薬となった。しかしィマチニブでも，病期の進行したCMLあるいは，フィラデルフィァ染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)では， 耐性·再発をきたす症例が多い。ぞのため4種類の新規(第2世代)BCR-ABLTKIsが開発された。ダサチニブぉよび二ロチニブはすでに日本でもィマチ二ブ耐性あるいは不耐容症例に対して2009年3月に承認を受けている。さらに他の第2世代BCR-ABL TKIsも臨床試験が進められている。欧米に続き日本においても，2010年12月に初発CMLに対する適応(first line)が二 ロチニブで追加された。本稿では，第2世代BCR-ABL TKIs おょぴ，第2世代以降の新規BCR-ABL TKIsについて概説し，CML治療の今後の展望について述べる。